『23エアリティ』を実釣インプレ! 渓流にもハマるダイワ最軽量リールの実力が凄かった

23エアリティインプレ

アングラーズマイスター ツリトシ【菅原 和利】

23エアリティインプレ
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2023年11月13日 更新

皆さん、はじめまして!アングラーズマイスターのツリトシ【菅原 和利】です。

私は東京・奥多摩を拠点に活動する渓流トラウトアングラーで、シーズン中には沢登りをしながら源流域での天然ヤマメ・イワナを狙った釣りを楽しみ、オフシーズンにはエリアトラウトで腕を磨くトラウトフリークです。

最近では渓流魚が好きすぎて、漁協の監事になり、養殖事業やマイスターの支援金を活用しての稚魚放流イベント、渓流のクリーンアップ活動も積極的に実施しています。

そんな私が今回、ダイワの新型リール「23エアリティ」について皆さんにご紹介させていただきます。

渓流での実釣シーンもありますので、是非この記事をエアリティ購入の参考にしていただけると嬉しいです!

23エアリティの概要

23エアリティの概要 23エアリティの概要

「23エアリティ」はダイワが誇る最先端技術の結晶です。「軽さ」と「強さ」という相反する価値基準を見事に融合させ、現段階では最高峰のリールと言えるのではないでしょうか。

ダイワの「心行くまで釣りを愉しんでもらいたい」というメッセージが込められたこの1台は、「エアドライブデザイン」、「フルメタルモノコックボディ」、「超々ジュラルミン製 MC(マシンカット)タフデジギア」、「マグシールド」など、ライトゲームフィッシングに必要な要素のすべてが凝縮されています。

釣り人が抱えるあらゆる課題を解決した先にあった一筋の真実。これが、23エアリティです。

20ルビアスとの違い

20ルビアスとの違い

私が普段使っている20ルビアスFC LT2000S(画像右)との一番の違いは軽さです。

その差は5gと数字で見るとそこまでの違いはなく、実際に両方のリールを持ってみても正直なところ差がわかりません。

いや、これ5gって違いわかるか?ちょっと心配になってきました。インプレではっきりと分かるといいんですけどね。

ルビアスはマイスターになってから購入した思い入れのあるリールです。使い込んでますが、これまで何のトラブルもなく、使用しての不満もないので、正直このリール以外の物を試そうと思ったことはありませんでした。

イグジストは気になりますが、愛用しているロッドとのデザイン的なバランスを考えると、ルビアスの方がしっくり来ます。そう。ルビアスに何の不満もないんです。だから、厳しくインプレしていきますよ!23エアリティ!

23エアリティを
実釣インプレッション!

さあ、いよいよ23エアリティを試していきましょう!

場所は、東京都西多摩郡奥多摩町の小河内漁協が管轄する峰谷川。私のホームリバーです。ここでは天然のヤマメを狙います。用意したのはLT2000S-H

エアリティのラインナップの中では最も小型の番手です。メインラインはダイワのPEデュラセンサー0.6号を150mに、リーダーはフロロカーボンの1.2号をチョイス。

峰谷川は小渓流ですが、流木が多い箇所もあるので少し太めに。大物がかかることもありますからね。大物釣りたいなあ。

ロッドはいつも愛用している「シルバークリーク グラスプログレッシブ48UL-G」。ショートロッドで手返しよくどんどん釣り上げる釣りが好きなので、このロッドは最高です。

赤を基調にしたデザインと、グラスロッド特有のハリのある柔らかさで、魚をかけた時にも逃がしにくく、魚との駆け引きが楽しいロッドです。

渓流トラウト相手に実力を試します!

渓流トラウト相手に実力を試します!

皆さん渓流トラウトについてどういうイメージを持たれているでしょうか。
ピンポイントキャストが難しそう?細い糸だからラインブレイクが多そう?装備が大変そう?

色々ハードルが高い釣りと思われていますが、最近ではライトスタイルで渓流トラウトが楽しめます。今回は2時間程度の実釣なのですが、とにかく渓流トラウトは歩きます。シャワークライミングとまではいきませんが、沢沿いをずっと上流に向かって釣り上がっていくので、重い装備では大変。

むきだしの岩や樹木の間を四つん這いでくぐり抜けていくことも多いので、道具もすぐ壊れるような物は使えません。当然釣具には「軽さ」と「強さ」が求められます。あれ?エアリティのコンセプトはまさにこれですね。

渓流にも自然に溶け込むデザイン

渓流にも自然に溶け込むデザイン

東京の奥多摩で山暮らしをしながら渓流トラウトを楽しむ私が考える、この釣りの魅力は「自然との同期」だと思ってます。

他の釣りは「魚と人間との対峙」で大きい魚を釣ったり、数を釣ったりすることに魅力を感じている方が多いと思いますが、トラウト釣りは奥深い森の中に入渓することからはじまり、少しづつ人の気配を消していかに自然と溶け込みながら自然の一部になっていく。そんな釣りが渓流トラウトです。

そこで重要になってくるのが、タックルも自然の一部になれているか?という点です。いくら人が気配を消しても、道具たちの存在感が際立ってしまうのはちょっと。。。と思ってしまいますが、エアリティはなんと。溶け込んでる。

最先端のダイワのテクノロジーが詰まっているリールだというのに、なんと周りの石や落ち葉に溶け込んでいる!美しい。しっくりくる。このデザインは最高です。ロッドとのバランスもいい!あれ?23エアリティ良くない?

キャストも決まる!数値以上に感じる軽さ

キャストも決まる! 数値以上に感じる軽さ

いつまでもリールを愛でていては始まらないので、早速キャストしていきましょう!・・・というかナニコレ軽い。なんかロッドだけ持って釣りしている感じです。

私が愛用している20ルビアスとリールの重さを比べてみましたが、ロッドに装着するとそれ以上の感覚。「ん?リールある??」と。

これは数字で見るとそこまでの違いには思えないのですが、リールの存在感が消え、ロッドだけ握ってキャストしているような感覚。他のリールを使わずにいきなりエアリティにしたら戻れなくなるかもしれません。

そしてリールが軽いせいか、キャストもピンポイントで狙った場所に決まります。いつもは狙った場所から少しずれることもありますが、このリールはほぼずれません。

インプレで初回に使っただけでこのレベルなので、使い込んで自分の物にしたらどれだけ気持ちいいでしょう。渓流トラウトは同じポイントに何度も投げ込むとトラウトに警戒されて反応がなくなるので、1投でいいポイントに入らなければ釣れない事も多いです。
アングラーが描いたキャストイメージを見事に叶えてくれるこのリールは渓流トラウト釣りの最高の相棒と言えるでしょう。

水中の様子が手に取るようにわかる巻き感度

水中の様子が手に取るようにわかる巻き感度

キャスト時のフィーリングは最高。では、着水した後はというと、ここで驚いたことがありました。それは「情報量」が非常に多いということです。

渓流の中で自然に溶け込んで気配消し切っている最中に一人で「えっ!?」と呟いてしまったほどです。なんだこの手元にビンビン来る情報の数々は。はじめは20ルビアスとの違いにただただ驚いてしまいました。これは、軽さだけではなく、エアドライブデザインとモノコックボディの掛け算による効果が最大化されています。

渓流の中でトラウトを狙うのには、様々な情報が必要になります。流れの速さに対して、ルアーがきちんと動いているか?イメージ通りの動きを表現出来ているか?と。このイメージ再現がきちんと出来る道具を使用しなければ、その日の釣りは悲惨な結果に終わることが多いです。

その点、エアリティには安心感がありました。一巻きひと巻きから感じる情報量の多さと、正確な糸巻き性能。巻きごこちのよさも最高レベルです。リールが変わるだけで、こんなに水の中が分かるようになるんですね。

環境音の中でも耳に届きやすいドラグ音

環境音の中でも耳に届きやすいドラグ音

渓流トラウトが扱う対象魚のヤマメやイワナは20cm前後の個体が多く、ドラグをあまり出す釣りではありません。それでもエアリティのドラグ音はアングラーのアドレナリンが湧き出る最高の瞬間を満たしてくれる大切な機能の一つです。

「今日は鳴らせないかな?」と思いつつ、いつも尺ヤマメ・イワナクラスが出れば少し出るくらいには設定していましたが、最後の最後で・・・25cmのヤマメがヒット!

掛かった瞬間に走られましたが、冷静に対処してなんとかキャッチ出来ました。

エアリティのドラグ音は渓流の強い流れの音がある環境下でもきちんと私の耳にも届き、この魚が今までとは全く違うサイズの魚だということを真っ先に知らせてくれました。

フッキングした時に最初に感じる重みだけでは信じきれない情報をドラグ音が教えてくれたことでその魚の大きさをを1秒以内に認識し、「あっ、この魚はでかい。慎重にいかないとバレる」と頭で理解することが出来ました。

また、ドラグの滑り出しも想像以上に滑らかで、不意の大物が掛かっても釣り人が魚とのやりとりをどのように対応するかを考えるわずかな時間を稼いでくれます。

ドラグの滑り出しがスムーズでないとキャッチはおろかファイトも楽しめないので、このドラグ性能はどんな魚でも安心して釣りができます。

キャスト数が多い渓流ゲームでもライントラブルはなし

キャスト数が多い渓流ゲームでもライントラブルはなし

渓流トラウトでは、目の前のピンポイントの流れ込みや、奥にある淵を狙ったりと、とにかく短距離と中距離・長距離のキャストが続きます。また、糸の巻く速さは常に早く、リールにもそれなりの負荷が掛かる釣りです。

この点、心配になってくるのがリールのトラブルですが、驚くほど何もありませんでした。使ったばかりというのもあると思いますが、釣りが終わるまでトラブルは何もなし。

これはシンプルですが、とても大切な点だと思います。

せっかく貴重な時間を使っているのに、ラインの高切れでリーダーを結び直す時間や、ラインが絡んでもじゃもじゃな状態を解く時間は釣りの楽しさを著しく半減させます。あまりに絶望的なライントラブルはその日の釣りを終わらせる決定打になることも。

それではせっかくの釣行も無駄になってしまいます。さらには、渓流トラウトはタックルを何本も持っていく釣りではなく、原則1本しか持ち込まない釣りなので尚更。エアリティは上位番手なのでその点の不安は元々ありませんでしたが、期待通りでした!

実釣してみての総評

良かったポイント

良かったポイント

これまで使い心地ばかりで語ってしまいましたが、軽くて、強くて、身体と同期するようなリール。これで釣れないわけないよね?はい。期待通りの爆釣でした。

峰谷川ではかなり珍しい25cmの良型天然ヤマメも!運も引き寄せてしまうリールとすら感じてしまいました。

現時点でのダイワのテクノロジーの結晶なので、とにかく素晴らしいリールなのは間違いありません。個人的にはベールを開く時の「カチッ」という音がルビアスにはなかったので、とても心地良かったです。毎回のキャストの時の気持ちの切り替えになり、アングラーのスイッチを入れてくれるリールです。

いまいちだったポイント

いまいちだったポイント

唯一気になったのは、巻きの絶妙な硬さ。

使い込んでいくと、ギアやグリスが馴染んで巻きがなめらかになっていくと思うのですが、ハイギア独特の最初の一巻目の硬さが気になりました。エアリティという名称を体現していく次の方向はきっと、さらなる「軽さ」と「強さ」の先にある「柔らかさ」なのかなと勝手に妄想しております。

強さも備えた軽量クラスリールの新境地かも!

強さも備えた軽量クラスリールの新境地かも!

ここまで試してみて思ったことですが、エアリティはリールの新たな境地を切り開いた1台と言えるのではないでしょうか。

価格が高いという意見もあるとは思います。実際に、渓流トラウトのような対象魚のサイズが小さい釣りであれば、入門機でも釣りは成立しますが、長く使い込めるような1台が欲しいとういう方や、もっと釣りがうまくなりたい・釣りでいつか生計を立てられるようになりたい!という方であれば是非手元に1台は置いて使いこなして欲しいリールです。ダイワのテクノロジーを贅沢かつ大胆に詰め込んだ1台。金額に見合う価値が必ずあります。

そして、このリールには明確なコンセプトがあり、作り手の強い想いが込められている事を実感出来ました。想いがあるからこそ、未来は切り開けます。

この軽さ、革新的。この強さ、確信的。そんな素晴らしいリール「エアリティ」を是非、試してみてください!